ボウルの中で甘いチョコを混ぜながら、
私の願う事はたった一つ。







+One only wish+







テレビでも雑誌でも、話題は2月14日のことばかり。
バレンタインデーを明日に控えた今日は2月13日。
私もチョコ作りに励んでいた。


テーブルには大量の板チョコと包装紙。
甘いにおいが漂っている台所には、使った材料のゴミや残りが散乱している。



「ちょっと汚しすぎちゃったかも・・」


バスケ部全員にあげるとなると準備も大変だ。
部活から帰ってきてからチョコを作るから、手間がかかるものは無理。
なので今年は、見た目はちょっと地味かも知れないけれど
部活帰りに読んだ雑誌に載っていたトリュフを作る事にした。
もちろんみんな同じもの。

藤井ちゃんと松井ちゃんには流川君に本命のチョコをあげることを進められたけど、
流川君の私への態度からして、
今 気持ちを伝えても彼から良い返事が返ってくることはないと分かってる。

私は振られてからも部活に顔を出して、
みんなと同じように彼に接することができるほど強くはない。

だから、今年はバスケ部のみんなと全く一緒のチョコ。

流川君はたくさんの人からもらうから、私からもらったことなんて忘れてしまうかもしれない。

それでもいいの。
いつかはあなたに私の想いを伝えたい、今回はそのための第一歩。


混ぜているうちにとろとろになったチョコレート。
そこにあなたの顔を思い浮かべながら願う。







『心の準備ができるその日まで、流川君のそばにいさせてください。』


















+あとがき+
2月が近いんで、バレンタインデーのお話を書いてみました。
本当は幸せそうな流川と晴子ちゃんを書きたかったのですが、
いつのまにやらちょっと切ない感じの文章になってました。
ルハルといえるかどうかも分からないものですが、
読んでくださってありがとうございました。







2006.1.30 UP


麻倉亜希さんからいただきました、バレンタインデーのお話です。
好きなのに、特別な想いを伝えることをためらっている晴子ちゃんがいじらしくて、かわいくて・・・。
晴子ちゃんの気持ちが伝わるときは来るんでしょうか。気になります。
麻倉さん、ちょっぴりビターで素敵なルハル作品をありがとうございました!

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